活動報告
第1回ETJP全体ミーティング 〜会員各社がENUMを用いたデモを披露〜
- 日時:2003/10/23(Thu)15:00-17:00
- 場所:早稲田大学理工学部大久保キャンパス
日本国内でのENUMの技術的課題の整理と検討を行うENUMトライアルジャパン (会長 後藤滋樹・早稲田大学理工学部情報学科教授、以下「ETJP」)では、 10月23日に第1回全体ミーティングを開催しました。
今回の全体ミーティングには37会員中30会員64人が参加し、各議題の報告や会 員の提案など第1回にふさわしく活発なミーティングとなりました。
まず最初に、JPRSの前畑氏から「Phase1におけるENUM DNS」と題した発表があ りました。ETJPにおける実験活動は現在最初のPhase1と呼ばれる段階にあり、 現状でのETJPのENUM DNSに対する番号登録手順、注意事項に関する解説が行わ れました。
次いで各会員からの情報提供(デモンストレーション)が行われました。シスコシステムズの岩岸氏からは「シスコシステムズのENUMに関する取り組み」と 題して、現在のプロダクトのENUM対応に関する説明がありました。また、会場 の携帯電話から発信を行い、公衆回線網を通じて同社の新宿事務所に設置され たサーバーを経由して、会場のIP電話へ着信するというデモが実演されました。
さらにソフトフロントの奥村氏からはSIPサーバーのデモが、また、パナソニックコミュニケーションズの篠氏からはENUM対応のVoIP(H323)及びインターネットFAXのデモが行われました。その後、ENUMのアプリケーション例として、JPRSの米谷氏のサポートによりNAPTRにWebカメラのURLを登録し、ENUMを検索、そのURLを選択してWebカメラでとらえたライブ映像を会場のスクリーンに映し出すデモが行われました。会場には、Webカメラが設置されたJPRSの一室の窓から淡路町の交差点を望む臨場感あふれる映像が映し出されました。
最後にヤマハの広瀬氏から、VoIPルーターのNetvolanteRT57iを2台使用したデモが披露されました。RT57i2台を接続し、ENUMのNAPTRレコードから接続先を 参照して電話を掛ける仕組みが実現されていました。NetvolanteではNetvolante DNSというDynamic DNS 機能があり、まず電話番号をSIP URIに変換し、これに含まれるSIPドメイン名をIPアドレスに変換することでENUMを実装する方法が紹介されました。この元々実装されている機能を利用することにより、ENUMの機能を実装するまでに3日程度しか必要とせず、ETJPのフェーズ1の目標である「実験できる環境の構築」を達成出来たとのことでした。さらに、このENUM仕様のNetvolanteは、ETJP会員であればファームウェアの貸し出しを行っていただけるとのことで、興味のある会員は連絡して欲しいという呼びかけがありました。
引き続き各会員からの提案があり、「フェーズ2以降における制度・運用面について」や「ENUMの登録モデルに関しての役割分担」、「ETJP参加メンバーの セキュリティ対策のルル化をどうするか」などについて活発なディスカッションが行われました。最後にETJP事務局から、今後の活動方針や運営に関する報告および相談が行われました。
次回、第2回全体ミーティングは2003/12/08(Mon)に開催する予定です。
※1 ENUM技術
電話番号を用いてインターネット上の様々な通信サービスへの統一的なアクセスを可能とする技術
※2 NAPTR
文字列変換によりドメインラベルやURIを生成するための書き換え規則を記述するためのDNSリソースレコード
- 第1回ETJP全体ミーティングアジェンダ
- Phase1におけるENUM DNSについて(株式会社日本レジストリサービス)
- 各会員からの情報提供(デモンストレーション)
- 各会員からの提案(ディスカッション)
- 「トライアル(フェーズ2以降)における制度・運用面の検討について」(日本電信電話株式会社)
- 今後の技術実験の進め方(案)(ETJP事務局)
- ETJP運営に関する報告及びご相談
会場風景 |
ENUM DNS説明 |
デモ発表 |
デモ発表 |
デモ発表 |
デモ発表 |