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活動報告

第10回ETJP全体ミーティングおよび第4回ETJP総会報告

  • 日時:2007/09/26(Wed) 10:30〜11:30
  • 場所:株式会社日本レジストリサービス 会議室

ENUMトライアルジャパン(会長 後藤滋樹・早稲田大学理工学部情報学科教授、以下「ETJP」)では2007年9月26日、株式会社日本レジストリサービス会議室において、第10回ETJP全体ミーティングを開催しました。

今回は16会員から28名の参加があり、第1部では東京大学の江崎浩教授から、現在WIDE Projectで進められているSIPv6の参照コード研究開発プロジェクトである「蛍(HOTAL)プロジェクト」についての情報提供をいただきました。引き続き第2部では堀田ETJP副会長から、ETJP設置期間の延長に関する提案を行いました。

■ 第1部: 情報提供

第1部では情報提供として東京大学の江崎浩教授から、IPv6環境におけるSIPの参照コード研究開発プロジェクトとして「蛍(HOTAL)プロジェクト」を紹介いただきました。

最初に江崎教授から、蛍プロジェクトが誕生した2つの背景が示されました。

(1) NGN(*1)、IMS(*2)における標準化の状況
現在NGNやIMSにおいて進められている標準化議論では、キャリア・国ごとに解釈や仕様が異なっている部分が見受けられる。また事業者間接続、いわゆるInter-Domainにおける運用については現時点においてほとんど考慮されておらず、将来的に技術仕様が多くのANNEX(*3)とAPPENDIX(*4)を含む、複雑なものとなってしまう可能性がある。
(2) IPv4アドレス在庫の枯渇による、IPv6対応への要求の高まり
IPv4アドレス在庫の枯渇に対する問題意識がさまざまな国際機関において急速に高まっており、国内においても総務省がIPv6への移行に関する調査委員会を発足させるなど、インターネット上の各種プロトコルのIPv6対応要求が急速に増大している。

これら2つの状況から、今後VoIPサービスで用いられるSIPプロトコルに対するIPv6化の要求が急速に高まると予想され、これに対応するためのオープンソフトウェアによる参照コードの開発を目的として、蛍プロジェクトが誕生しました。

江崎教授からは今後、SIPv6の相互接続性の確立を目的とした機能検証仕様と相互接続仕様の確立と展開をIPv6 ForumにおけるIPv6 Ready Logo Programで、SIPv6のInter-Domainにおける実運用実験を、JGN2(*5)上に構築された広域分散IXであるDistix IIにおいて進めていく計画が示されました。

(*1)NGN: Next Generation Network (次世代ネットワーク)
現在構築が進められている、IPネットワークの長所を取り入れて電話網の再構築を図ることを目的とした通信網。
(*2)IMS: IP Multimedia Subsystems
NGNを実現するための中核的な技術の一つ。固定網や移動体通信、放送などのサービスをIP化し、融合したマルチメディアサービスを実現するための規格。3GPP(第三世代携帯電話システムの仕様検討・作成を行う団体)により提唱された。
(*3)ANNEX
ITU-T勧告における付属資料。
(*4)APPENDIX
ITU-T勧告における付録。
(*5)JGN2: Japan Gigabit Network 2
情報通信研究機構(NICT)が2004年4月から運用している、超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。

■ 第2部: 今後のETJPの活動について

第2部ではETJP副会長を務めるJPRSの堀田博文氏より、今後のETJPの活動に関する報告と提案が行われました。まず堀田氏から、前回の全体ミーティングで合意された3つの活動内容

  • (1) BoFの開催
  • (2) 2007年10月以降のETJPの継続
  • (3) 第3次報告書の公開

に関する、現在までの活動状況が報告されました。報告内容は以下の通りです。

  • (1) BoFの開催
  • 開催提案が2件(IMS-SIPとの連携、IPv4アドレスの枯渇対応とIPv6アドレスへの対応)寄せられ、事務局で検討したものの、BoFの開催までには至らなかった。ただし、IMS-SIPとの連携については今回の全体ミーティング第1部の情報提供として採用させていただき、東京大学の江崎浩教授に発表いただいた。

    これまで特に反対意見はなく、提案に沿った形で今後の活動を進めていく。

  • (2) 2007年10月以降のETJPの継続
  • (3) 第3次報告書の公開
  • 2007年中の公開を目途に、事務局で作成を進めていく。

続いて堀田氏から、ETJP設置期間の延長に関する3つの提案が示されました。

  • (1) ETJPの設置期間を、その目的が達成されたと判断できる時期まで延長する
  • (2) ETJPでは今後メーリングリストを中心に、会員間の情報交換活動を行う
  • (3) ETJPの終了については事務局で相談の上、終了の是非を会員宛にメーリングリスト上で諮り、ETJP会長と副会長が判断する

さらに堀田氏からは、今後の具体的な活動内容として、

  • (1) メーリングリストにおいてBoFの開催が合意された場合にはBoFを開催する
  • (2) 事務局や役員が必要と判断した場合には全体ミーティングを開催する
  • (3) 事務局が定期的(半年〜1年程度)に各会員への連絡先の更新確認をする
  • (4) メーリングリストやWebページ等を通じて情報共有を図る
  • (5) 活動の成果が出た場合には、報告書等を公開する。

の5つが示されました。

■ 第4回ETJP総会

第10回ETJP全体ミーティング第2部終了後、定数の確認が行われ、会員数48の うち、書面表決19会員を含む35会員の出席を得て、第4回ETJP総会が開催されました。

総会では第1号議案として、第2部において堀田氏から概要が説明されたETJP設置期間延長に関する議案が、原案の通り承認されました。

 会場風景
会場風景
 後藤滋樹氏(早稲田大学)
後藤滋樹氏
(ETJP会長/早稲田大学)
 江崎浩氏(東京大学)
江崎浩氏
(東京大学)
堀田博文氏(JPRS)
堀田博文氏
(ETJP副会長/JPRS)
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