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活動報告

ETJP第1次報告会

  • 日時:2004/05/12(Wed) 14:00〜17:00
  • 場所:早稲田大学 理工学部 (大久保キャンパス)55N号館 1階 大会議室

ENUMトライアルジャパン(会長 後藤滋樹・早稲田大学理工学部情報学科教授、以下「ETJP」)は5月12日、早稲田大学において第1次報告会を開催しました。この報告会はETJPがその活動を広く一般にお知らせするために行ったもので、43会員中30会員を含む全51組織、113名の参加があり、これまでの活動報告やデモ、今後の活動予定についての発表を行いました。

▼ ETJP全体活動報告

後藤会長の開会の挨拶に続き、ETJP事務局の前畑より、これまでのETJPの活動について、ETJPとはどのような団体であるか、ETJPが発足してからこれまでの経緯、ETJP会員へのアンケートの結果という3つの点に関し報告を行いました。

この報告では、ETJPはENUMの技術的検証や課題整理の場を提供する会であること、全体としての統括された成果は求めず、各会員の自主性ある活動を重んじている、といった活動方針や運営理念が紹介されました。さらに、どのような推進体制、組織であるか、そして、ETJP会合や、それ以外の活動紹介、ETJP実験環境の推移について具体的にまとめた内容でした。

また、このなかで紹介したアンケートの結果は、ETJPの今後の運営の参考にするたことを目的として4月に実施した内容をまとめたものです。将来想定されるENUMの利用や、ENUMを推進するうえで問題となりそうなことがら、今後の活動予定などが示されました。

▼ 各ワーキンググループの活動報告

ETJPには、実験の各フェーズにおけるデータの取り扱いについて、ポリシーを検討し、ガイドラインを作成する目的で設立された「PandS-WG(Privacy and Security Working Group)」と、日本国内で展開しうるENUMのDNSモデル検討や評価などを行う目的で設立された「DNS-WG(DNS Working Group)」の2つがあります。

PandS-WG報告は、WGのチェアであるWIDEプロジェクトの石田氏により行われました。WG設立に至った経緯とこれまでの活動が述べられたのち、本来ならばガイドラインが出ていなればいけない予定だが、諸般の事情により遅れていること、現在、メーリングリストならびにWGミーティングを通して作業をしており、6月末までに公開する予定であることが述べられました。

DNS-WG報告は、WGのチェアである株式会社日本レジストリシステム(JPRS)の藤原氏により行われました。こちらもWG設立に至った経緯とこれまでの活動や予定が述べられたのちに、WGの主題である、想定するENUMモデルやENUM DNSの要求条件などについての説明が行われました。報告後の質疑応答では、登録規模や情報の更新頻度などについての具体的な質問が続き、関心の高さがはっきりと示された形になりました。

▼ 各会員の活動報告(ENUMデモンストレーション)

各会員の活動報告では、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の米谷氏が司会進行を務め、最初にデモ構成の紹介が行われた後、米谷氏自身によるENUMをベースとした通信イメージとその動作説明、会場に用意したデモ構成の紹介に続き、会員による4つのデモと、DNSSECの説明と紹介が行われました。

最初のデモはJPRSのENUM Clientを使ったENUMの動作概要説明で、その中でSoftfrontのSoft SIP Phoneを使った通話の他、さまざまなアプリケーションと接続できることを示すためにPanasonicのWebカメラへのアクセスも行いました。続いて、世界的なENUM Trialに参加しE.164番号のDelegationが行われている他国組織は、容易に組織間の相互接続試験が可能であることを示すために、シンガポールとの国際接続を行いました。

続いて、シスコシステムズ株式会社の岩岸氏による同社のIOSとCisco CallManager Expressを利用したデモが行われました。この内容は、ワイヤレス型のSIP電話であるWireless IP PhoneとPSTN(公衆回線網)上の携帯電話の相互接続を、メディアゲートウェイを経由して行うというものでした。

日本テレコム株式会社の若松氏によるデモは、RFID(Radio Frequency Identification)を用いてワンナンバー着信を行い、デスクフリーなオフィス環境を実現しようという試みを具現化したものでした。RFIDは弱電波を使った非接触の自動認識技術ですが、これを応用し、ENUMによる通話の接続先の登録/変更を人の移動に連動させることで、利用者が意識しなくても目の前の電話がENUM DNSに自動的に登録され、その人に電話がかかると目の前の電話が鳴るようにしたものです。

パナソニックコミュニケーションズ株式会社の篠氏によるデモは、iFAXとメールを組み合わせ、ファックスで読み込んだ画像をデータとし、インターネットのメールに添付した形で相手に送るというものでした。

最後のデモは、米谷氏によるDNSSECという技術の紹介とETJPのシステムで導入しているDNSSECの説明です。DNSSECは、正確なDNSの応答を保証するための仕組みで、偽造されたDNSの応答から利用者を守るために必要とされている技術です。このデモでは、JPRSがENUMクライアントをDNSSECに対応させた試作ツールを実際に使用して、その動作を視覚的に紹介しました。

デモ後の質疑応答では会場からいくつもの質問が寄せられ、実際に動き始めたENUMアプリケーションへの関心の高まりが実感できるものとなりました。

▼ 今後の活動予定

ETJPの今後の活動予定は、ETJP堀田副会長により行われました。ここでは、スケジュールの確認に続き、今後の実験予定、実験遂行上の課題などを説明しました。

主な内容としては、各WGで検討している課題以外にも実験範囲の拡大により、ENUMトライアル用番号空間をどうするかといった具体的な課題があることや、ENUMを推進するために必要なキーワードとして、認知度の向上や、キラーアプリケーション、ビジネスモデルといったものが提起されました。

▼ 講演会 「VoIP推進協議会とENUM」

報告会の最後は、招待講演です。VoIP推進協議会 サービスWG主査であり、三菱電機情報ネットワーク株式会社電話サービス部長の大庭雅敦氏より「VoIP協議会とENUM」と題し、VoIP推進協議会の活動とENUMへの取り組みについての講演が行われました。

講演会終了後、堀田副会長より閉会の挨拶があり、活気のある空気の中で報告会が終了いたしました。

石田慶樹氏(WIDEプロジェクト)
石田慶樹氏
(WIDEプロジェクト)
藤原和典氏(JPRS)
藤原和典氏
(JPRS)
デモ発表(JPRS)
デモ発表
(JPRS)
デモ発表(シスコシステムズ)
デモ発表
(シスコシステムズ)
デモ発表(日本テレコム)
デモ発表
(日本テレコム)
デモ発表(パナソニックコミュニケーションズ)
デモ発表
(パナソニックコミュニケーションズ)
大庭雅敦氏(VoIP推進協議会)
大庭雅敦氏
(VoIP推進協議会)
会場風景
会場風景
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