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活動報告

第2回ETJP全体ミーティング 〜海外のENUMトライアルの現状紹介〜

  • 日時:2003/12/08(Mon) 14:00〜17:00
  • 場所:NTT武蔵野研究開発センター本館プレゼンテーションホール

ENUMトライアルジャパン(会長 後藤滋樹・早稲田大学理工学部情報学科教授、以下「ETJP」)では、12月8日、第2回全体ミーティングを開催しました。

今回のミーティングには、第1回を上回る70人が参加、「オーストリアのENUMに関する取り組み」という講演会も開催されるなど、ENUMに関する各国の最新の状況が紹介されました。

第1部の会員からの情報提供では、まず、日本電信電話の中富氏から、「ITU-T SG2におけるENUMの検討状況」と題した発表がありました。2001年1月にENUM管理の検討を開始して以来の経緯や、ENUMにおけるDNSの構成、管理・運用に関する定義、役割分担などについての検討成果が報告されました。また、ENUM用トップレベルドメインの検討を継続することなど今後の予定についても言及されました。

次いでJPRSの堀田氏が英国の状況について説明しました。この12月4日にニュージーランドで行われたばかりのBTのTony Holms氏の講演資料に基づいて紹介したもので、UK ENUM Group(UKEG)が、2003年1月にトライアルを開始するまでの背景などが報告されました。トライアルは今年いっぱいで終了する予定でしたが、より詳細な結果を出すため来年3月まで延長されたということです。

続いて沖電気工業の後藤氏が台湾の現状について述べました。台湾には大別するとSIP/ENUMトライアルプロジェクトとIPOX(IP Phone Open eXchange)コンソーシアムがあるが、SIP/ENUMトライアルプロジェクトは2003年5月から2004年4月の期間にSIP/ENUMアーキテクチャ・構成の策定や基本サービスの提供を目指しているとのことです。また、プロジェクトは政府色が強いと述べました。

さらに、JPRSの森下氏が韓国の状況について報告しました。ENUMへの取り組みに関して韓国はアジアでは草分け的な存在であり2000年10月から取り組みを開始したこと、そしてアプリケーションを含めた総合的な環境開発を推進しているのが大きな特徴であると分析されました。また、メジャーテレコムキャリアとの提携を図っているということでした。

最後に、世界の状況について引き続きJPRSの森下氏が紹介しました。IETFにおけるプロトコルの標準化作業はほぼ終了したことや、各国のdelegationの状況について2003年12月7日現在でヨーロッパの15をはじめ、世界で24delegationあることなどが報告されました。また、トライアルの大まかな分類や地域別の状況説明が行われました。

次いで第2部の事務局からの報告・連絡事項ではETJPのワーキンググループに関する説明があり、ワーキンググループによる活発な活動推進を呼びかけました。

続く第3部の会員からの提案では、WIDEプロジェクトの石田氏から、Privacy and Security Working Group の設立趣意書を当事務局に提出した旨の報告・趣旨説明がありました。前回の第1回全体ミーティングで提案のあった、実験にあたってのセキュリティとプライバシーポリシーのガイドラインを作成するのが目的です。また、メンバーを募集しているので、興味のある人は是非参加して欲しいとの投げかけがありました。

このあと、ソフトフロントの高須氏から、ソフトフロント開発のENUM対応SIPサーバを評価版として会員向けに有償で提供する旨の提案がありました。

15時30分からは、「オーストリアのENUMに関する取り組み」と題する講演会を実施しました。まず「ENUM International Status on Standardization and Deployment」と題してOEFEG(Oesterreichische Fernmeldetechnische Entwicklungs- und Foerder- ungs Gesellschaft)のRichad Stastny氏が講演しました。ENUMの基本的な仕組みの説明などから、ENUMトライアルの簡単な歴史と経緯、これまでトライアルで明らかになった点と今後の課題、さらにIP通信のシナリオなどについて言及されました。ENUMのポリシー・管理についての諸問題は徐々に解決しつつあるが、いかにビジネスモデルに移行していくかが焦点となるということでした。

ついで、「Austria ENUM Trial:The at 43 Broadband ENUM Application」と題してnic.at(nic.at Internet Verwaltungs- und Betriebsgesellschaft m.b.H.)のMichael Haberler氏が講演しました。「at 43」は、ISOのカントリーコードのatとPSTNコードの+43を合わせた名前であり、ENUMのプロダクションサービスが2004年の第2四半期から開始されるので機も熟してきたと述べました。at43のシステムなどの概説、そしてat43はこの数年、ウィーン大学と共同して行ってきたが、2004年前半には他のISPとも相互通信を、2004年の下半期には国内の技術系の学校でも展開する予定であるなどと今後の計画について述べました。

次回の第3回全体ミーティングは、2004年1月14日(Wed)に、早稲田大学理工学部大久保キャンパスで開催する予定です。

日本電信電話 中富英治氏
中富英治氏
(日本電信電話)
JPRS 堀田博文氏
堀田博文氏
(JPRS)
沖電気工業 後藤雅徳氏
後藤雅徳氏
(沖電気工業)
JPRS 森下泰宏氏
森下泰宏氏
(JPRS)
WIDEプロジェクト 石田慶樹氏
石田慶樹氏
(WIDEプロジェクト)
ソフトフロント 高須英司氏
高須英司氏
(ソフトフロント)
OEFEG Richad Stastny氏
Richad Stastny氏
(OEFEG)
nic.at Michael Haberler氏
Michael Haberler氏
(nic.at)
会場風景
会場風景

 

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