ENUMトライアルジャパン(ETJP)設立趣意書
名称
本会は正式名称を「ENUMトライアルジャパン」とし、略称を「ETJP」とする。
設立趣意
電話番号を用いてインターネット上の様々な通信サービスへの統一的なアク セスを可能とするENUMについて、DNSによる基盤サービスから通信アプリケー ション、通信サービスまでを含めた、基本機能の技術的検証、実用性の技術的 検証、サービス化に向けた技術的課題の整理と検討を行うために「ENUMトライ アルジャパン(ETJP)」を設立する。ETJPは、ENUM関連技術を持つ企業、団体、 個人が集まり、多種多様な技術確認を行うことを活動の中心におき、そのまま 商用化することは前提としない。
- (設立背景)
- インターネット上の通信形態はますます多様化しており、電子メール、Web のみでなく、Faxや電話もインターネット上で利用されるようになってきてい る。 このような様々な通信サービスに対して、電話番号という統一的な識別子で 通信相手を指定する技術がENUMである。現在、IETFおよびITU-Tにて、ENUMの 技術標準、管理運用手順が提案されている。わが国においては、総務省の「平 成14年度電気通信番号に関する研究会」においてENUMの検討の必要性が議論さ れている。また、企業や業界団体を中心とした「ENUM研究グループ」の成果が 今年の5月に報告書として公開されている。 諸外国においては、すでにENUMのトライアル運用が始まっており、そこでの 通信アプリケーション、通信サービスの実験を通した技術的検証や諸問題の解 決に向けた動きが加速している。わが国においても、実際にENUMをトライアル 運用することによりENUMを用いた通信アプリケーション、通信サービスを実験 する環境を構築し、技術的検証、課題整理等を進めていく必要がある。
ETJPの目的と進め方
- 1) 目的
- ENUMの基盤サービス、その上の通信アプリケーション、通信サービスまでを含めた、基本機能の技術的検証、実用性の技術的検証、サービス化に 向けた技術的課題の整理と検討を行う場を提供する。また、諸外国のENUMトライアルと連携し、国際レベルの技術的検証を行う場も提供する。この 場を用い、各会員がENUMをベースとする通信アプリケーション、通信サービスの技術ノウハウを蓄積する。
- 2) 活動内容
- ETJP全体として一つの成果を求めるのでなく、個々の会員が自由に技術実験を行う。すなわち、各会員もしくは複数会員からなるグループが、各
自の技術を持ち寄り、実験を独自に企画し、実行する。その経緯および結果を事務局宛に報告する。主な活動項目は次のものである。
・ENUMトライアル用DNSの運用
・ENUMを用いる通信機器、ソフトウェアの技術的検証
・ENUMを用いる通信サービスの技術的検証
・ENUMに関する情報の集積 - 3) 成果
- ・各会員の通信機器やソフトウェアの技術的検証結果
・ENUMを用いる通信サービスの技術的検証結果
・ENUMを用いた通信サービス実現のための技術課題明確化 - 4) 成果の扱いについて
- トライアルの結果は、次のような方法により原則として公開する。
・Webサイト掲出
・ENUM実験報告会 - 5) 活動のロードマップ
- 2003年 9月 発足
2003年 9月〜 フェーズ1 (ENUMを用いた通信機器、ソフトウェアの動作検証)
2003年 12月〜 フェーズ2 (ENUMを用いた通信サービスの動作検証)
2004年 4月〜 フェーズ3 (利用者によるENUM操作まで含めた通信サービス全体の動作検証、他国のENUMトライアルとの連携) - 6) 知的財産の扱い
- ETJPは知的財産を含む財産を持たない。必要に応じ実験に参画するもの 同士で相談する。
ETJPへの参加
ETJPの趣意に賛同し、自らの技術を持ち込み動作検証に参加するなど、ETJP の活動に貢献することを希望する企業、団体、個人は、活動への貢献内容の宣 言を記して所定の入会申し込み手続きを行うことにより、ETJP の会員となる ことができる。
会費・運営費用負担
ETJPは独自の会計・口座・資産等を持たない。会員には会費の納入義務はな い。ETJPの活動にかかわる会議の運営費用、通信費用、書類作成費用、その他 人件費等は、それに取り組む会員がそれぞれで負担するものとする。
組織
- 1) 会長・副会長
- ETJP活動の代表まとめ役として、会長、必要に応じ副会長を置く。 会長、副会長は会員からの推薦により決める。
- 2) 全体会議と分科会
- ETJPの最高決定機関である全体会議を定例で開催し、その中では全体の進め方、活動報告、分科会の設置・改廃等についての議論を行う。
- 3) 事務局
- JPNICとJPRSが担当 連絡先は、sec@etjp.jp
発起人
後藤滋樹 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)
堀田博文 株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
石田慶樹 WIDE Project